こちら私の遺言書。

愛すべきオタクたちへここに遺言を残す。

番外・愛をなめんなよ!〜この舞台は悪なのか〜

「あいつさ、とったんでしょNo.1。うちの事務所のやつらみーんな知ってるよ。200万かかるんでしょ200万!」

 

バーでケラケラ笑う男。彼は当時底辺の地下アイドルで、彼の事務所の人間がちょうどその時ホストちゃんに出演していた。

その「No. 1をとったホスト」の太客は友人で。私はそうねぇ、でもラブよラブ。円じゃないからね。と回った酒にぼんやりしながら答えた気がする。ベロベロに飲んでる彼は俺がさあ、ホストちゃん出たら◯◯は200万出してくれるかなぁ?などと言い出し、全くどいつもこいつも。と私は苦笑いした。

 

とまぁ、こんな風に関係者各位にネタにされるくらい、この界隈で私のホストちゃんという舞台はあまりに有名だ。栄を除き、知名度がそこまである若手俳優が集まっている訳ではないのだけれど。

鈴木おさ◯のプロデュースということと、あと、兎にも角にも、この舞台は、「金がかかりすぎる」と有名なのだ。

 

推しにもファンにも順位がつく。その順位は、「金」と引き換えの「ラブ」で決まる。ラブを1番多くゲットすればNo. 1ホスト、ラブを1番多く貢げば太客。とてもシンプルでわかりやすい。しかしこのシステムはやはり、本物のホストではない以上酷でありエンターテイメントの範疇を超えているとの意見も昔からチラホラ目立つ。

確かにこの舞台は長らくたくさんの姫たちに憎まれ、もう続編やるな、栄ファイナルとは何だったのか殺すぞ と罵られ、かくいう私もあの時オサ◯にとどめを刺しておけば(@メンフリ)と随分後悔したものである。オサム、もうオタクのHPはゼロよ!

 

しかし私は、それでもこれがそれだけの舞台だとは思えないので、今回の一方的なホストちゃんわかってますううううみたいなブログにそれは違うよ!と思い至り、今、洗濯機を回しながらこのブログを書いてるのである。私の洗濯が終わるまで少しお付き合い願いたい。

本当は色々な話をしたいのだけれど、今はあまり時間がないので一つにポイントを絞って話したいと思う。

 

そのポイントは、蔵田がV2をファンに願ったブログは悪なのか? という点である。

 

私はこれに関しては私はそもそも何がいけないかわからず、現在削除されたらしいがブログの文面を読んでも何がいけないのかまじでわからんかった。いやまじで!!まじでわからんかった!!!!ちなみに蔵田のことは顔以外元々あんま好きではない。媚び売り星人辞めろぴょん。

ので渦中のオタクのブログをかなり熟読したのだがそこには

 

「ファンに対して「金を出してほしい」なんて言わせたくない、そう思っていたとしても、口に出してほしくない。いくらでも払うよ。でも「払って」とは言われたくない。」

 

と書かれていた。

まあ確かにラブをくれ=金をくれ

ではあるが、それは完全な解釈ではないと私はこれまでの経験上思っている。

この解釈は、ホストちゃんにおけるNo. 1レビューへのホストちゃんたちの想いと、姫たちの想いというものが全く欠如していると私は思う。

ホストちゃんもその姫たちも人間なので、No. 1レビューへかける想いはそれぞれ。

 

うちのパパ、流星は意地っ張りだから。彼の負けず嫌いが如実に現れるのがこの舞台。その姫たちは私含め苦笑いしながら、でも、曲げない心を少し誇らしいと思って、ラブを添えて。

旧シリーズの咲夜というホストは、いつでも自分の姫たちのことを想っていた。いつだったか忘れたけれど、彼は企画日に負けた夜、ごめんね姫たち。期待に添えなくてごめん。と謝った。咲夜の姫たちは、泣いていた。

栄では唯一の企画日を絶対王者夕妃に潰されたホストが何人もいた。夕妃は批判された。でも彼は、口説きで「俺は俺を愛してくれる姫たちのために、何度だってダークヒーローになってやる」と宣言したのである。夕妃は、中の人の性格を考えると決して他のホストに負けたくないと思ってた訳ではないと思う。ただ、自分の愛する姫たちの期待に応えたかったのだろう。だって彼は、他作品で共演し自分を兄のように慕っている直というホストがNo. 1の時、ともきのアニキが他の誰より喜んでくれた!とのちに直本人から語られている。

流星と一緒に中洲からREBORNを支えた深雪というホストは、最後の口説きで涙を流した。中洲では俺はね、一度しかNo. 1をとれなかった。でもみんなのお陰で、栄でたくさんNo. 1をとれて。みんなが喜んでくれて。嬉しかったんだ。だから、姫たち、フレッシュホストのみんなをよろしくね。そう言って。

絵空というホストは、破天荒なキャラに反してとても大人だった。彼は一度もはっきりとNo. 1を望まなかった。でも彼の企画日、一位から三位は絵空の姫で。それを知った時の顔は、いつもキメ顔のあの人からは想像できないほど嬉しそうだった。私はこの人と企画日の事の顛末を話したことがあるけれど、少し驚いた顔をして、その後、しみじみと、感謝しないとね。少しずつ恩返ししないと。そう言っていて、本当にいい人なんだなぁと思った。

そのREBORNの大千秋楽、唯我というホストはNo. 1を逃して泣いた。No. 1企画日ではなかったと思う。ただ、私は詳しくないけれど恐らく彼のために頑張っていた姫がいたようで。彼が舞台上から誰かに向かって謝るような仕草を見せたような覚えがある。彼は、自分の不甲斐なさを頑張ってくれた姫に申し訳なく思って泣いたのだ。

 

さて、長々とこれまでのホストを何人か語ってしまったけれど、最後に私が愛した鋭利というホストは、絶対王者が引退し、栄までと一転してみんな一位になれたらいいね、という風潮が色濃くうまれたREBORNという新時代を象徴するようなホストだった。

彼は、他の仲間たちのNo. 1を心底喜んでいた。俺ねえ、〜がNo. 1とれて、嬉しかった。っていつもニコニコしてて。まぁ、彼はちょっとクセのある人で何から何までが本心なのかよくわからないのだが…。

でも彼らは決してNo. 1を譲り合ってるわけではなかった。

私はそう思ってて。

 

私たちは何も金の投げ合いを楽しんでる訳ではない。できれば舞台は座席に座ってるだけで終わって欲しい。いや普通終わるんだけどさそれで。

ただ、我々は「本気」なのである。

これは俺理論になってしまうので同意してくれなくて構わないのだが、あの舞台の独特の空気感は姫たちの「本気」がホストちゃん達に感染した結果なのだと思っている。

「本気」が伝染したホストちゃん達は思う。絶対にNo. 1がとりたいと。舞台が始まる前は漠然とした気持ちだったそれが、初日の幕が上がると確固たるものになっていく。

ただし、前記で例をあげたようにたくさんのホストちゃん、たくさんの姫達がそれぞれ色々な気持ちを抱えていて、それぞれがそれぞれにしかわからない「本気」を持っている。その中には汚い感情だってたくさん混ざってるけれど、それでも、たくさんのホストちゃん達が泣いて。姫達が泣いて。嬉しくて泣いて、悲しくて泣いて。誰もかれもが、誰かのことを想っている。

想いはさ、比べられるものではないじゃない。誰かが誰かを想う気持ちに優劣は存在しない。道徳が大切というならば、これこそ尊重されるべきではないだろうか。

そしてホストちゃん達はそれを理解しているのだと私は思う。というかね、あの会場に毎日居たら、嫌でもわかってしまうんだよね。

 

だからこそ、この舞台は、どこで誰がNo. 1になっても決して批判などされるべきではない、と私は思うし、心の底から悔しかったり喜んだりその全ては悔しさも含めて負ではないだろうと考えている。

 

話を蔵田に戻すけれど、私は一真の姫ではないから分からないが、きっと何か。一真とその姫達の間に何か強い想いがうまれた結果のブログだったんだろうなと思った。だから何も不適切な内容だとは思わなかった、というか他人が口を出す領域ではないと思った。他人の想いは、他人にはわからないからね。

 

とまぁ、長々と書いてしまったが、私が言いたいのはこの舞台はたしかにゴミだが、この舞台に携わったキャスト、姫達の気持ちはゴミどころか他のどの舞台よりも強く、そして強さには人を惹きつける魅力がある。

だからこそホストちゃん。つらかったけど、楽しかったね。

そういう人が、いるわけで。

 

確かに金がなければ想いだけあってもできない舞台ではあるし、そういう人には向いてないかもしれない。

だからといって、それが数々の強い想いまでひっくるめてこの舞台を批判していい理由に果たしてなるのだろうか。

 

私は他者の意見に反論だけをすることは嫌いだ。そこから何も得られないからね。

しかし、常日頃から言っているが、文字には力がある。だからホストちゃんを理解していると豪語されて尚、あの内容を記事にされることにはいささか抵抗があるし、私が出会ってきたホストちゃん達、姫達が何も知らない人々にそんな舞台のために頑張っていた人々だと誤解されることを非常に恐れたので今回この記事を急遽書き上げた。

 

あとで何か追加するかもしれないけれど、とりあえず今はこれだけで。

 

一真の結果は残念だったようで。

きっと悔しいけれど、いろんな気持ちを抱えて、No. 1になりたいと言えた一真は、私は偉いね、って思うよ。その言葉を言ったことを絶対に後悔しないで欲しい。

 

最後に、もしね、この記事を読んだおそらくあるであろう次のホストちゃんに推しが選ばれてしまったホストちゃんを全然知らないオタクに何か一言言うならね。

 

推しのためにもし一度だけ死なない程度に無理をするならね、きっと今だよ。